車検で交換が必要な部品とは？劣化しやすいパーツの見極め方

車検

2024.09.30

車検は、車両が安全に走行できる状態を維持するために不可欠な手続きです。
車検では、車両の各部が法律に基づいた基準を満たしているかが厳しくチェックされますが、特に重要なのが劣化しやすい部品の点検と交換です。
この記事では、車検時に交換が必要となることが多い部品と、その劣化を見極めるためのポイントについて詳しく解説します。

車検で交換が必要な主要部品

車検では、車両全体の状態を確認し、安全性を確保するために、いくつかの部品が交換の対象となることがあります。以下は、車検時に特に交換が必要とされることが多い部品です。

ブレーキパッド

役割: ブレーキパッドは、車両の減速や停止を可能にする重要な部品です。ディスクローターに摩擦を与えることで、車を安全に止める役割を果たします。

交換のタイミング: ブレーキパッドは、使用に伴って徐々に摩耗していきます。一般的には、残りの厚みが2～3mmになると交換が推奨されます。ブレーキパッドの摩耗が進むと、ブレーキの効きが悪くなり、安全性が低下するため、車検時に必ずチェックされます。

バッテリー

役割: バッテリーは、エンジンの始動や電装系統の電源供給に欠かせない部品です。車両の動作を支えるためのエネルギーを供給しています。

交換のタイミング: バッテリーの寿命は通常2～5年程度ですが、使用頻度や環境条件により変動します。バッテリーが劣化すると、エンジンの始動不良や電装機器の動作不良を引き起こす可能性があるため、車検時にチェックされ、劣化が進んでいる場合は交換が必要です。

タイヤ

役割: タイヤは、車両と道路の接地面を形成し、安全な走行を支える重要なパーツです。タイヤの状態が悪化すると、制動距離が伸びたり、スリップのリスクが増加したりします。

交換のタイミング: タイヤの溝が1.6mm以下になると、法的に使用が禁止されます。車検時には溝の深さやタイヤの劣化状況が確認され、必要に応じて交換が指示されます。また、経年劣化によるひび割れやゴムの硬化も交換のサインです。

エンジンオイルとオイルフィルター

役割: エンジンオイルは、エンジン内部の潤滑、冷却、清浄、そして防錆の役割を果たしています。オイルフィルターは、オイル中の不純物を取り除くための重要な部品です。

交換のタイミング: エンジンオイルは、通常5,000～10,000kmごとに交換が必要とされます。オイルが劣化すると、エンジンの性能が低下し、故障の原因となることがあります。車検時にはオイルの状態が確認され、必要に応じてオイルフィルターとともに交換が行われます。

ワイパーブレード

役割: ワイパーブレードは、雨や雪などでフロントガラスに付着した水滴を除去し、運転者の視界を確保するために重要な部品です。

交換のタイミング: ワイパーブレードは、約1年ごとに交換することが推奨されます。ゴム部分が劣化すると、雨水を効果的に拭き取ることができなくなり、視界が悪化します。車検時にはワイパーの動作とブレードの状態がチェックされ、劣化が見られる場合は交換が行われます。

劣化しやすいパーツの見極め方

車検で交換が必要となる部品の多くは、日常的に劣化が進行するため、定期的なチェックが重要です。以下に、劣化を見極めるためのポイントを挙げます。

視覚的なチェック

タイヤ: タイヤの溝の深さやサイドウォールのひび割れを確認します。また、均一な摩耗があるかどうかもチェックすることが重要です。
偏った摩耗は、アライメント不良やサスペンションの問題を示唆することがあります。

ワイパーブレード: ワイパーを作動させた際に、ガラスに拭き残しができる、またはゴムが硬化している場合は交換のサインです。

感覚的なチェック

ブレーキパッド: ブレーキを踏んだ際に、いつもより制動距離が長く感じる、または異音がする場合は、ブレーキパッドが摩耗している可能性があります。

エンジンオイル: エンジンオイルは、定期的にオイルレベルをチェックし、色や粘度の変化を確認します。オイルが黒く変色していたり、粘度が極端に低下している場合は交換時期です。

専用機器でのチェック

バッテリー: バッテリーの状態は、専用のテスターで電圧や内部抵抗を測定することで確認できます。車検時にはこのテストが行われ、劣化が進んでいる場合は交換が推奨されます。

車検前に行うべき準備

車検時に多くの部品が交換対象となると、予想外の出費が発生することがあります。

事前に車両の状態を確認し、必要なメンテナンスを行っておくことで、車検時の費用を抑えることができます。

定期的なメンテナンスの実施

車検を迎える前に、日常的なメンテナンスを行い、車両の状態を常に良好に保つことが重要です。エンジンオイルの交換やタイヤのチェック、バッテリーの点検など、定期的に行うことで、車検時に大きな修理や交換が必要になるリスクを減らすことができます。

事前点検の依頼

車検前にディーラーや整備工場で事前点検を依頼することで、車両の状態を詳しく把握することができます。事前点検では、交換が必要な部品や修理が必要な箇所が明確になり、車検時に予想外の費用が発生するリスクを軽減できます。

部品の調達と交換を前もって行う

車検直前に慌てて交換するよりも、事前に部品を調達し、交換しておくことで、余裕を持った対応が可能になります。特にタイヤやバッテリーなど、大きな出費が伴う部品は、早めに交換することで車検時の負担を軽減できます。

まとめ

車検で交換が必要となる部品は、車両の安全性と性能を維持するために非常に重要です。

ブレーキパッド、バッテリー、タイヤ、エンジンオイル、ワイパーブレードといった主要な部品は、使用に伴い必然的に劣化していきます。これらの部品の状態を定期的にチェックし、適切なタイミングで交換を行うことが、安全で快適なドライブを続けるための鍵となります。

車検は車両の総点検といえる場ですが、日常的なメンテナンスと事前の準備を怠らないことが、車検時の出費を抑え、長期的に車を良好な状態で維持するための最善の方法です。
次の車検に備えて車両の点検とメンテナンスをしっかりと行い、安全で快適なカーライフを楽しんでください。