仮ナンバーを取得すれば車検切れでも走れるか?自賠責保険との関係も解説
車検

仮ナンバーを取得すれば車検切れでも走れるか?自賠責保険との関係も解説

車検切れのまま公道を走るリスクとは?

車を所有していると、うっかり車検の有効期限を過ぎてしまうことがあります。
しかし、車検切れの車両でそのまま公道を走行することは、重大な違反行為にあたります。

具体的なリスクとしては、

  • 無車検運行の違反:6か月以下の懲役または30万円以下の罰金
  • 無保険運行の違反(自賠責未加入):1年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 違反点数加算:免許停止や取消の可能性

など、非常に重いペナルティが科せられる恐れがあります。

また、仮にこの状態で事故を起こした場合、保険金が支払われず、損害賠償をすべて自己負担しなければならないケースも。
経済的にも精神的にも、大きなリスクを抱えることになってしまいます。

車検切れでも動かしたいなら「仮ナンバー」を取得しよう

それでも、「車検場へ運びたい」「整備工場まで動かしたい」という状況はありますよね。
そんなとき、違反にならずに公道を走るために必要なのが、仮ナンバー(自動車臨時運行許可)の取得です。

仮ナンバーを正しく取得し、有効な自賠責保険に加入していれば、限定された条件下で安全に公道を走ることが可能になります。

仮ナンバーとは

仮ナンバーとは、車検切れや新規登録前の車両を、公道上で一時的に運行するために発行される臨時のナンバープレートです。
正式には「自動車臨時運行許可」と呼ばれ、市区町村の役所で手続きを行うことで発行されます。

仮ナンバーを取得すれば、車検場への移動や整備工場までの回送など、限られた目的においてのみ車両を運行することができます。
ただし、使い方には厳格なルールがあり、違反すると罰則を受けるため、正しく理解して利用することが重要です。

仮ナンバーを取得する方法

仮ナンバーは、車両所在地を管轄する市区町村の役場で申請することができます。
運輸支局ではなく、基本的には自治体での手続きとなるので注意しましょう。

申請できるのは、以下のような場合に限られます。

  • 車検切れ車両を車検場まで移動する場合
  • 新車・中古車購入後、登録のために運輸支局へ移動する場合
  • 車両の整備・修理のための移動

日常の買い物やレジャー目的では使用できません。

仮ナンバー取得の流れ

  1. 必要書類を準備

    運転免許証、自賠責保険証明書、車検証または抹消登録証明書など
  2. 市区町村の役所で申請

    所定の申請書に必要事項を記入し、提出します。
  3. 申請費用を支払う

    地域によって異なりますが、数百円~1000円前後が相場です。
  4. 仮ナンバーと臨時運行許可証を受け取る

    取得後は、必ず自動車に仮ナンバーを取り付け、許可証を携帯して運転します。
  5. 使用後は返却

    期限が切れたら速やかに役所へ仮ナンバーと許可証を返却します。

仮ナンバー取得に必要な書類

仮ナンバーの申請時には、以下の書類が必要です。

  • 運転免許証(本人確認)
  • 車検証または抹消登録証明書
  • 有効な自賠責保険証明書
  • 申請理由を示す書類(車検予約票など)

特に自賠責保険は重要で、これが無いと仮ナンバーは発行されません。
もし自賠責保険が切れている場合は、仮ナンバー申請前に必ず加入し直しておきましょう。

仮ナンバーが取得できる車両

仮ナンバーを取得できる車両は、以下の条件に該当するものです。

  • 車検切れの自動車
  • 抹消登録中の自動車
  • 新車登録前の車両
  • 修理中または検査中の自動車

二輪車、トラック、バスなども対象ですが、公道を走行できる構造が整っている必要があります。

仮ナンバーの貸出期間

仮ナンバーの有効期間は、最大5日間です。

ただし、申請時に使用目的に応じた最小限の日数が設定されます。
たとえば、車検場まで片道30分程度で到達できる場合は、1~2日の貸出になることが一般的です。

この期間を過ぎると仮ナンバーは無効となり、速やかに返却する必要があります。
延長は基本的に認められないため、スケジュールに余裕を持って行動しましょう。

仮ナンバーの取り付け方法

仮ナンバーの取り付けには、通常のナンバープレートと同様にしっかりと固定する必要があります。

  • 前後に取り付け(軽自動車や二輪車は後方のみ)
  • ガムテープや紐で固定するのは原則NG(ボルトや専用ステー推奨)
  • 必ず見やすい位置に装着

不適切な取り付けは交通違反になる可能性もあるため、注意しましょう。

仮ナンバー利用の注意点

仮ナンバーを利用する際には、いくつか重要なルールがあります。

利用目的が限られる

仮ナンバーで走行できるのは、あくまで車検や登録、修理といった特定の目的に限られます
それ以外の目的での走行は違法となり、重い罰則が科せられます。

申請した経路のみで走行可能

申請時に届け出た目的地までの「経路」に沿って走行しなければなりません。

観光地やショッピングモールに立ち寄ると、違反になる可能性があるため、直行直帰を心掛けましょう。

仮ナンバー取得の相談なら「車検専門店」へ!

仮ナンバーの取得や手続きに不安がある方は、車検の専門業者に相談するのも一つの方法です。

自賠責保険の即日加入や仮ナンバー申請代行、車検の事前予約サポートまで、一括でサポートしてもらえるので、初めての方でも安心して手続きを進めることができます。

まとめ

車検切れの車でも、仮ナンバーを取得し有効な自賠責保険に加入していれば、限られた条件下で公道を走行することができます。

ただし、仮ナンバーの使用目的や経路には厳格なルールが定められており、違反すると重い罰則を受けるリスクがあります。

仮ナンバーを取得する際には、

  • 必要な書類を事前に揃える
  • 自賠責保険の有効期限を確認する
  • 適切なルートで速やかに目的地に向かう

といった基本をしっかり押さえましょう。

焦らず、正しく、そして安全に。
それが車検切れというトラブルを乗り越える、最も確実な方法です。