
車検切れの運転は危険と隣り合わせ

車検の有効期限をうっかり過ぎてしまい、「ちょっとだけなら走っても大丈夫」と思っていませんか?実はそれ、法律違反です。車検切れのまま公道を走ると、以下のようなリスクがあります。
- 無車検運行:違反点数6点、最大30万円の罰金、免許停止
- 無保険運行(自賠責切れ):さらに重い罰則(懲役1年以下または50万円以下の罰金)
- 万が一事故を起こしたら:任意保険は無効、自賠責も使えない可能性があり、すべて自己負担
つまり、「車検が切れているけど、車検を受けに行きたい」という場合でも、そのまま運転してはいけないのです。
解決策は仮ナンバーの取

こうしたときに使える合法的な手段が、仮ナンバー(臨時運行許可)」の取得です。これは、車検切れの車でも、一定の条件下で限定的に走行を許可する制度です。
仮ナンバーを取得すれば、整備工場や車検場への移動が可能になります。ただし、利用目的や経路、期間には厳しい制限があるため、正しい知識を持って活用することが重要です。
仮ナンバーとは?

仮ナンバーとは、正式には「臨時運行許可番号標」といい、車検切れや登録前の車両などが一時的に公道を走るために市区町村から交付される特別なナンバープレートです。
- 利用目的:車検・整備・登録など
- 利用条件:指定経路・指定期間のみ走行可能
- 発行場所:お住まいの市区町村役場
仮ナンバー取得の流れと必要書類
1. 申請場所
お住まいの市区町村役場で申請します。運輸支局ではありません。
2. 必要書類
- 車検証(自動車検査証)または抹消登録証明書
- 有効な自賠責保険証明書(仮ナンバーの運行日をカバーする必要あり)
- 運転免許証
- 使用目的と経路の申告書類
- 印鑑(自治体によって必要)
3. 手数料の支払い
多くの自治体で750円前後。現金のみの場合もあるので注意。
4. 仮ナンバーと許可証の交付
赤枠付きの仮ナンバーと「臨時運行許可証」がその場で交付されます。
5. 車への取り付けと運行
仮ナンバーは、前後のナンバープレートに紐などで固定します。許可証はフロントガラスに掲示。
6. 使用後の返却
使用後は、許可証と仮ナンバーを期限内に返却する必要があります。忘れると罰則対象になるので注意。
仮ナンバー利用の注意点

利用目的が限定される
仮ナンバーは「車検や整備のため」など、明確な目的でのみ使用できます。私的なドライブや通勤には使用不可です。
申請した経路のみで走行可能
仮ナンバーでの運行は、事前に申請した経路のみに限られます。寄り道やルート外の走行は違反となります。
使用期間は短期間のみ
仮ナンバーの有効期間は通常1日〜5日以内。使用後は速やかに返却しましょう。
自賠責保険が必須
仮ナンバーで走るには、運行日に有効な自賠責保険の加入が必要です。未加入では発行されません。
仮ナンバーでできること・できないこと

できること
- 車検場・整備工場への搬送
- 登録・検査のための運輸支局への移動
できないこと
- 買い物や旅行などの私的利用
- 申請経路以外や許可期間外での走行
仮ナンバー以外の選択肢:陸送業者
自分で仮ナンバーを取得するのが難しい場合、陸送業者の利用もおすすめです。積載車で車を目的地まで運んでくれるため、手間もリスクも最小限。特に高額車両や長距離移動に向いています。
車検切れを防ぐためのポイント

- 車検証やステッカーで有効期限を定期確認
- スマホでリマインダー登録
- 満了日の1ヶ月前から受けられるため早めに予約
- 混雑を避けるため繁忙期(3月)を避けるのも一手
まとめ:仮ナンバーは緊急時の合法手段。日頃の管理が何より重要

車検切れの状態で走行するのは非常に危険かつ違法です。しかし、仮ナンバーを取得すれば、法の枠内で車を車検に出すことができます。
ただし、仮ナンバーはあくまでも「緊急時の一時的な措置」。何度も利用できるものではなく、使用範囲やルールが厳密に定められています。
トラブルを未然に防ぐには、日頃からの車検管理がなによりの対策。仮ナンバーに頼らず済むよう、早めの対応とスケジュール管理を心がけましょう。